翁は幼少の頃から写真が嫌いでした。
カメラを向けるとぷいっ、シャッターを押した瞬間にぷいっ、せっかくさっきまで笑っていたのに、カメラを向けると能面フェース。これは爺さんになった現在でもさして変わりません。いや、むしろスレていないお子様だった時の方が、今よりもう少し撮りやすかったかもしれません。
おどけた口調で「翁～、こっち見てくれ～」と言ったり、口から鳥の鳴き声みたいな音を出したり、口笛を吹いたりと、チェーン写真館でお子様の記念写真を撮る時の、アシスタントのおねーさんのごとく、様々に翁のご機嫌を伺うのですが、さしてうまく行きません。
そんな先日、スマホのカメラアプリで、無音カメラという、ある意味大変悪いアプリがあったのを思い出し、入れてみて翁に試してみました。
これが大当たり。翁はシャッター音がすると、ぷいっと度や逃走度が倍増するのですが、無音ゆえ特にカメラ目線で撮らない自然な写真が大変撮りやすくなり、とても重宝しております。
ということで今回は、そんな悪いアプリで撮った翁写真をご紹介しておきます。
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