翁犬ブログ

老犬ラブラドールの日々

ドロドロカレーを考察する、第二弾

以前、このブログでドロドロカレーについて考察しました。

 

okinainu.hatenablog.jp

 

この中で、ドロドロカレーにするにはカブが溶けるくらいまで火にかけ、ブレンダーやミキサーにかけるのがお勧めと書きました。が、最近ネットで調べてみると、ドロドロ成分(でんぷん)を糖へと変える酵素であるアミラーゼを含む食材については、カレーをサラサラにする効果があるというものがありました。大根やカブ、山芋やバナナ、味噌や醤油といった食材などにその可能性があるようで、そうだとすると、カブ、全然ドロドロに寄与してないやんとなるのです。

アミラーゼという酵素は唾液中にも入っている成分で、水溶きカタクリなどでつけたとろみのある汁物などを食べているうちに、徐々にとろみがサラサラになっていくというのは、このアミラーゼがでんぷんを分解するからだったりします。

汁物の味見の際にお玉に直接口をつけないようにと言うのは、衛生面の問題ももちろんありますが、唾液が混入することで、せっかくつけたとろみを無くす可能性があるからという一面もあったりするわけですね。

では、なぜ自分はカブをドロドロ食材として推していたのか?前記のように「サラサラ食材やんけ!カブではドロドロにはならんやんけ!」と思ったのですが、実際はドロドロに貢献している様子。実はそれにもちゃんと理由がありました。

アミラーゼには75℃以上で20分以上加熱すると、その働きが無くなるという特性があるようなのです。自分の場合、ドロドロカレーにする時には大概圧力鍋を使うので、110度以上の温度で、10分以上(通常の煮込み時間だと30分以上換算となります。)加熱しており、アミラーゼの働きをなくす時間をクリアしているがゆえ、粉砕されたカブはとろみ成分になっているようです。

そこで改めてドロドロカレーについて考察すると、ポイントは3点、「食材の粉砕」、「とろみつけ」、「カレーの水分量」であるなと思う次第です。

最初の食材の粉砕というのは、よくカレー専門店とかである何日間煮込み続けましたとかいう、長時間の煮込みで素材がとけてしまうことでもできますが、自分の場合はそこまで時間をかけたくないので、圧力鍋とブレンダーで粉砕しています。トロみつけだけだとトロトロ(※)くらいにはなりますが、ドロドロを目指そうとするとやはり素材のスープへの溶け込みが必要かと思います。

(※ とろみを付けすぎる、ドロドロと言うより固形化し、無理くりな感じになって美味しくなくなることも少なくないです。)

なお、とろみ付けだけならば、ホワイトソースよろしくブールマニエ(バターと小麦粉)、水溶き片栗粉、コーンスターチなどでできますが、これだと前記のようにとろとろ位はいけますが、ドロドロにはなりづらく、味に深みも出ません。味に深みを出したいのであれば、粉末出汁等を使うか、出汁と併用して上記カブなど、数種の野菜や肉を煮込んで、ブレンダーかミキサーで粉砕し、スープに溶かし込むことで強いコクや出汁にするのが効果的かと思います。

あと、カレーの水分量についてですが、野菜を大量に入れて溶けるほど煮込むなどすると、自ずと全体の水分量が増えてしまうので、素材の煮込む際の水の量を減らす、もしくは煮込み時間を増やして水分を飛ばすといった事をすることで、水分量のコントロールをする事も、ドロドロ具合と味の濃さを大きく左右させる要因となるかと思います。

過日も、多めのカブとブロッコリーを、少なめの水に粉末だしを入れ、更にコク出しと甘みづけとしてココナッツオイルを加え、圧力鍋である程度しっかり煮込んだあと、ブレンダーで粉砕してカレーにしてみたんですが、かなりのどろどろ具合に仕上がった上、味もしっかり複雑になりました。

この複雑な味ですが、カブもブロッコリーも、ココナッツオイルの味も、ほぼ分からないレベルまでドロドロ化して一体となったがゆえに、いい感じで複雑化したといった状態でした。ここまでいくには、やはり圧力鍋を使っているからということが大きいかと思います。普通の鍋だと多分、一時間以上は煮込む形になるかと思いますので。

そんな訳でドロドロカレー、素材もしくは出汁がスープに染み込む要素が必ずありますので、決してインドカレーにはなりません。インドカレーはそもそも、何時間も煮込んだり、とろみも付けたり、出汁を入れたりもしませんので。

そもそもがドロドロカレー、インディカ米には全然あいませんし。でも、日本米には圧倒的に合います。強い粘りと水分のある米には、それ故に米に吸われることがないサラサラ汁より、しっかりだし味も効いて絡みやすくもあるとろみ汁の方が、圧倒的に相性が良いようです。

インドカレーが、日本米にはあまり合わないのと同じように、それぞれの国でちゃんと、その国にある食材に合う料理がアレンジされていくというのは、いつもほんと感心する次第です。

ということで、今回は再びドロドロカレーについて考察してみました。そういえば最近、うちではインドカレーもインディカ米も、チャパティーも食べていないので、次のカレーは久々にインドバージョンにしてみようとそんな風に思った次第です。

ドロドロカレーちゃうんかい・・・・・・。

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