翁犬ブログ

老犬ラブラドールの日々

万博について思うこと

1970年に開催された大阪万博。おっちゃんは全く記憶にないのですが、行った際の「白黒写真」(苦笑)があるのを見たことがあるので、自分、物心がついていない赤ん坊ではありましたが、万博に行っていたようです。

そして、2025年、55年ぶりに再び大阪万博が開催されますが、残念ながら日本国内では全く盛り上がってはいないようです。

また、建物が会期に間に合わないとか、いつものお役所仕事の定番の、予算が見積もりより大幅に超過とか、思ったより参加国が少ないようだとか、色々と問題も出てきているようです。

最近では、ゴミ埋立地故に地中から発生したメタンガスに、工事作業中発生した火花が引火して爆発したとか、ぶっ壊す予定なのに350億円もかける木造大屋根リングだけが先にできかけているために、中に建設する建物の資材や重機が入れづらいという懸念があるなど、小学生の工作でも配慮するであろうような凡ミスが発生しているという噂があったりもするようです。

また、来場者を無理やり増やすべく、小学生などを無料招待してかさ増ししようとするも、(※本来の意図は、後記する「公衆の教育」を目的としているからということなのでしょうが、)上記メタンガス爆発問題への懸念や、アクセスが悪すぎるがゆえに会場への往復のバスチャーターが、行き方としてもセキュリティー的にも最善ということで、結局のところ全然無料ちゃうやんけという問題。

なんとか費用を抑えるべく、公共交通機関を使うにしても、生徒の管理やセキュリティーの問題などでかなり厳しいということで、学校関係者の多くは行きたくないと思っているけれど、行政の学校に対しての参加意思を問うアンケートには、「行きたくない」という項目がそもそもないので、(どんだけ誘導意思ありありなアンケートやねんと・・・)とりあえず日本人らしい忖度で、参加したいと書いておいたなどという、ほんまなんだかんだ大丈夫かいなというニュースなんかも報道されていたりします。

だからなのか一年ほど前に、万博を誘致した大阪府自身が作ったシニア向けコミュニケーション用AIにすら、「どうやら中止になったらしいで」などと言われる始末。実際に世間においても、「なんかもう、中止にしてしまったらいいのに」などとも言われていたりします。おっちゃんも、オリンピック同様、一部権力層の利権のために、国家間で持ち回りのイベントをするのとか、ほんともうやめてしまえばいいのにと、強く思う次第です。

そもそも万博って、昔、海外旅行とかがままならない時代において、他の国の文化や風俗、技術などを知るためのものではないのかと思うわけです。

で、改めて万博を開催する意味について調べてみますと、国際博覧会条約には、

国際博覧会とは、二以上の国が参加した、公衆の教育を主たる目的とする催しであって、文明の必要とするものに応ずるために人類が利用することのできる手段又は人類の活動の一若しくは二以上の部門において達成された進歩若しくはそれらの部門における将来の展望を示すものをいう』という、これまた非常にお役所的な、訳のわからん難しい言い回しの文言で説明されていたりするのですが、要約すると「人類の技術・芸術などについて過去を振り返り、また未来の展望を掲示し、皆でそれらを見て勉強するための博覧会」という感じになるかと思います。

この趣旨を見ると、このネット社会・VR世界、そして、比較的海外旅行のハードルが高くなくなった現代において、わざわざ高額な費用をかけて、無駄としか言えない短期間でぶっ壊す箱物を作り、文化、風俗、技術、芸術物などを掲示する必要性があるのだろうかと考えると、甚だ疑問だったりします。

テレビやネットでも、海外ネタ・ニュースが網羅され、飽きるくらい情報が過多な現代おいて、展示物などでリアルに目にできるとしても、それにどれほどの価値を見いだし、好奇心が訴求されるかというと、世代を問わずそれほどではない気がします。実際に、日本でのチケットの売れ行きも、すこぶる低調なようです。

万博に思い入れがあるであろう自分達より上の世代でも、今更また見たいかと言うと、今回は月の石のような目玉も無く、また、現在では、当時の憧れだった夢のアメリカンな食事(※)だけでなく、マニアックな世界の料理であっても日本国内で食べられますし、革新的な技術なども昔のように目を瞠るようなものもない状態において、7500円払ってわざわざ見にいくかというと、どうかなあという気はします。とりあえず、自分は全く食指が動きません。ほんと驚く程に興味が沸かないです。

(※ケンタッキーは、70年大阪万博会場で実験店舗として日本に初登場し、その秋に名古屋市に1号店が出店。また、マクドナルドは翌年に日本初出店)

また万博を知らない若い世代も、7500円も払うくらいなら、更にお金を足す必要はありますが、USJやディズニーランドの方がいいやってなるのではないかと思う次第です。

いつの時代でも、学生である時に、自分のお金を使って「勉強」しに行こうという「かしこ」は、そうそういるもんではないのではないでしょうか。大体、前記のように、能動的に勉強しようと思えば、今はいくらでもネットなどで世界中のあらゆる情報を無料で検索して調べることもできますし。

と、色々と考えてみると、そもそもがもう、「万国博覧会」という時代ではない気がひしひしとします。大体「万国」っていう響きすらもうなんか・・・。

まあでも、もう中止はないでしょう。お役所は動き出したものは、よほどのことがあっても途中ではやめませんから。っていうか予算が付いて動き始めたら、途中でやめるとかないですし、開催はもう、来年ですもんね。

しかし、役所が不思議なのは、その当初予算を大幅にオーバーするとわかっても、平気で継続するところです。民間でこんな事したら、場合によってはプロジェクトに関わった上から下まで、全員クビ案件だと思いますが、所詮、自分のお金でない税金だし、足りなくなっても、また税金むしり取ってそっから出せばいいやって思ってるんでしょうか。

まあ基本的に、一度予算が決まってしまえば、利益を出す必要は特にないということや、また、お金を無駄に使うということに対しての責任を、最終的に誰も取らなくていいというシステムなどが、こういう事態を招くのだと思いますが。

オリンピック同様、またウワモノ行政の負の遺産が増えると思うと、その面倒を孫子の代まで負担する大阪の方々もしんどいですな・・・。まあ、オーバーした予算を国が補填するとかになると、全国民が面倒見るということにもなるわけですが・・・。

なお、地盤が脆弱すぎて、地盤沈下などもひどく、重量があるライド型の施設なんかは作れないらしいです。いやあ、マジずさんですな。そりゃ、ゼネコンなんかもこんなややこしい場所での建設受注、したくないはずです。実際、儲からないので、人手不足の昨今、もっと儲かる現場に注力しているゆえ、建設が遅れたり、そもそも未だ建設業者が決まっていないなどという側面もあるようです。

また、これも前記しましたが、跡地は博打場などにする計画(いわゆるIR計画)もあって、前回の万博同様、建造物は、はなからぶっ壊し前提でやってるみたいですが、350億円という巨費をかけている木造リング屋根同様、(しかし350億円で屋根って・・・)ウワモノに沢山のお金をかけて結局は短期でぶっ壊すとか、全くもったいない話しで、全然今風ではないですなあ・・・。個人的には嫌いな言葉なんですけど、行政が大好きなSDGsとか、万博においてはどないなっとるねんと思ったりします。

70年万博は、高度成長期期間だったからまあイケイケでも良かったと思いますが、すっかり国力が沈滞化した今、あえて万博を開催しようとするのも、なんとかしてお金(利権)を生み出そうと、藁にもすがっている感があって、なかなかキツイです。それなのに、驚くほどに国民のマインドは低調とか、本来湧くはずの建築業界もそっぽをむいてるとか、行政の魂胆がモロバレてしまっている感もあり、もはや目も当てられないのもよりキツイです。

だからもう、マスコミとかネットとかも、万博ネタはスルー気味なんですかね。っていうか、みんな全然興味がないからスルーしてるだけか・・・。

ほんとなんなんすかねえ。


横たわって寝る翁
こちらは横たわって寝る翁
カメラチラ見バージョン



伏せて寝る翁
こちらは伏せて寝る翁
そっぽ向きバージョン

寝てばっかり・・・

 

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