翁犬ブログ

老犬ラブラドールの日々

化学調味料について考える(超長文)

現在、正式名称としては「うま味調味料」と言われている、「化学調味料」(以下化調)について書いてみようと思います。

昔、味の素(MSG)症候群(中華料理店症候群)というのがマスコミで取り上げられたことがありました。化調の大量に入った料理を食べた後、頭痛やしびれなどが起こるというものです。

これがもてはやされた当時、自分も化調たっぷりのラーメンを食べた後に、軽い頭痛や、自らで名付けた「おゾゾが走る」という、悪寒のようなものが走る症状があったので、「これが噂のMSG症候群やな」と考えて、その後は化調を毛嫌いするようになりました。

特にラーメンについては、もっぱら無化調派になったのですが、このMSG症候群、現在では科学的根拠はないという結論が出ており、公的な機関などの調査でも、化調による健康への影響はないと言われています。

ではなぜ、自分には上記の症状が起こったのか。これは改めて考えると、

◯ たっぷりの化調は塩分を感じにくくなるので、自ずと料理に使われる塩分が多くなり、摂取塩分が過多になる故に調子が悪くなった。

◯ 味の濃いラーメンは、背脂など油脂もめっちゃ多いものが多いゆえ、油脂摂取過多でおゾゾが走った。

のではないかと考えられます。

しかし、塩分については無化調ラーメンでも、「しょっぺー」みたいなのはいっぱいあって、それらを食べた後は、化調たっぷりのものと同様、いつもはあまり水を飲まないおっちゃんが、ピッチャーからどくどくと水を注いで飲みまくるという状況になります。

しかし、この無化調ラーメンの場合では、MSG症候群的な症状は出ませんので、大量の油脂と塩分のコラボが、体調を崩していたと考えるのが妥当ではないかと思う次第です。今はおっさんになって、油脂が大量なラーメンを食べられなくなっているのでならないのかもとも思う次第です。

と、たまたま先日久々に、超オイリーな天下◯品系の白濁ラーメンでありながら無化調という、「鶏白湯」なるラーメンを食べた時に、例のおゾゾ症状ががっつり起こったので、自分の場合は、油脂が過多の場合、おゾゾが走りやすいと思われます。

で、数十年の間は、体に悪い&使いすぎると舌がバカになると思って、化調は使っていませんでしたが、現在では、創味シャンタンデラックスやコンソメスープの素など、時として化調を使用している製品を使っております。

なぜなら、味の薄い安物の素材が、劇的な濃い味に変わって美味しくなるということと、やっすい町中華的な、あの独特の「悪くてうまい味」がでるからです。

ただ、使っていて思うのは、どうしても徐々に使用量が多くなってくることです。要するに、これが舌がバカになるということかと思うのですが、濃い味に慣れてくると、更にどんどん濃いものを求める形になり、結果相対的に塩分量も増えていくという悪循環に陥っているんだろうなと、強く思う次第です。

そう強く思うのはなぜか。もう一人のおばちゃん(妹)は、完全無化調派なので料理に化調を使いません。(※最近は味の素を振りかけるのが大好きな、リュウジ氏のユーチューブに凝っているので、時に化調を使う料理もしたりしますが・・・。)だからかどうかは分かりませんが、味付けはずーっと変わらず薄味です。一方の自分は、長年の使用で化調を使う量も徐々に増え、また、それに伴って、化調を使わない場合でも濃い味を求めるがゆえ、料理の塩分濃度はどんどん濃くなっていると思われるからです。

よって自分は、化調は、使用によって健康に影響がないとは言えども、どんどんと濃い味&油脂を求める要因になると、そう思っています。これは、「化調ラーメン好きは、最終的に天一や二郎系に行き着く」というおっちゃんの理論の根拠でもあります。

あと、化調の味に慣れすぎると、化調がなければ物足りない味になるというのもあるかと思います。特に油過多との相性がめっちゃ良い化調たっぷりラーメンが、癖になるというのも、大量の油脂と、化調独特の濃い味にあるのではなかろうかと思うのは、なまじ間違いではないと思います。

ちなみにこういった大量の油脂と糖、添加物などで調理されたポテトチップスなどのお菓子、菓子パン、カップ麺などについては、最近は超加工食品と呼ばれ、死亡率や、認知症・がんなど病気のリスク増、肥満になりやすいなどといったことが、科学的データで立証されているようです。(超加工食品と、普通に調理したものを、カロリーや栄養素・食物繊維量などを同じにして比べているようなので、超加工食品にリスク要因をがあるのは明らかです)

ラーメン店のラーメンは添加物などは入ってはいませんが、おゾゾが走るほどの油脂や、大量の塩分、炭水化物=糖など、超加工食品に通じるようなジャンク感があるかと思います、ジャンクフードになぜか中毒性のものがあるというのは、大量の炭水化物(糖)と油脂というのはずいぶん前から言われていることですが、これについては、コカ・コーラの500mlに角砂糖14個分の砂糖が入ってるとか、スタバのキャラメルフラペチーノ350mlに角砂糖12個分の砂糖が入っていて、そういうのを飲み続けると砂糖(糖質)依存症になるというのと、同じような現象が起こって中毒化しているのではなかろうかと、そんな風に思っています。(なんか市販の飲料の砂糖量の方が、ラーメンに入っている化調よりも、圧倒的にヤバい気がしますが・・・)

ファストフード系は大概、多めの油と糖質で美味しいと感じさせ、味についてはだし味的なものの多くを化調に依存しているようですので、それに慣れてしまうと、ほぼ素材だけの薄味には、美味しさを感じないということも、ついジャンクを選びがちという理由になるとも思います。

そもそも、調味料が塩コショウだけでいいくらい素材の味が濃く、美味しい場合には、それにわざわざ単一的な味になる化調をぶっかけようなどとは思わないはずです。ただ、そのレベルの美味しい素材は、庶民が毎日食べられるような価格では提供されていません。全てのものが高くなっている今は、より顕著になっているのではないでしょうか。

なお、化調とか調味料とか添加物が沢山入っているものの多くは、消費者のコストダウンへの要望に応え、安い素材をなんとか美味しく感じさせるための企業努力とも言えるかと思います。消費者自身がそれを求めてしまっているという部分も、たぶんにあるんだと思います。

ということで、自分で作るときにおいては、化調をできるだけ排除してきたおっちゃんではありましたが、最近においては、料理によっては適度に使うことも少なくありません。ただ、親父が家庭菜園で作る野菜なんかは、ほんとに新鮮で美味いので、化調を入れる必要性を全く感じないというのも間違いありません。

中華などにたまに化調と多めのごま油を入れ、町中華の美味くて悪い味にあえてしてみようというような時に、塩と油とアミノ酸と糖分が絶妙な配分で混じった、「創味シャンタンの素」をガッと投入するわけです。

なお、最近は無化調を謳いながら、たんぱく加水分解物という、化調のお友達みたいなものを入れている商品も多いので、個人的にはこちらも注視しています。

このたんぱく加水分解物、その名の通りタンパク質を分解するのですが、鰹節で出汁を取ったあとのカスとか、肉の筋とかの本来は捨てる部分とか、醤油として絞ったあとの大豆カスとか、そういったものに残っているタンパク質を、塩酸で分解することで生成される、食品添加物ではなく食品として分類されるものです。

なお、塩酸分解法の製造工程では発ガン性物質が発生することもあるようなので、おっちゃんの中では化調以上に要注意な添加物だったりします。(※ 塩酸以外の分解法もあるようですが、塩酸分解法が一番コストが安く、故に未だこの方法が一番多いようです)

ただ、発がん性物質については、肉や魚の焦げであっても、トップレベルの強力な発がん性があるといわれていますので、あまりなんでも気にしすぎると、何も食べられないということになることも承知しています。でも、わざわざ添加物に発がん性のあるやつとかを入れてほしくないとは思います。

たんぱく加水分解物、よく言えば、本来なら捨てられてしまう食品を最後まで有効利用するリサイクルとも言えます。が、その本質は、化調である味の素より安いコストで生産できるというのが本音でしょう。現在は味の素も、旨味調味料としてはそこそこお高いですので。また、「無化調」を謳えるがゆえに現れた、新しい旨味調整剤とも言えるかと思います。

こんなのが出てくるのも、安くて「無化調の」食品を求める消費者のニーズに応える企業努力だったりするんでしょうが、「ある意味化調より良くない(化調には発がん性はない)こんなもん入れといて、「無化調」とはどういうことやねん!」とおっちゃんはそう思ってしまうのです。

なお、よく言われる「無添加」というのも、おっちゃんは全く信用していません。何が無添加なのかは、そう謳っている企業の選択によるからです。この無添加というキャッチ、日本語の特徴である「主語を言わないことで曖昧にできる」というのを悪用していると思います。よっておっちゃんは、無添加と書いてある食品の原材料を見て、「いやいや、どこが無添加やねん!たんぱく加水分解物も保存料も、ガッツリ添加しとるやんけ!」などとツッコむのが大好きだったりします。

そんな訳で、以前はほぼ完全無化調主義だったおっちゃん、今は適度の使用については容認派です。ただ、前記しましたが、何でもかんでも化調を入れると、何もかもが同じような味になり、味音痴の原因になるだろうなとは思いますので、醤油とかみりんとか料理酒とかについては、できる限り無化調のものを買うようにしています。また、市販のタレ類はできるだけ使わないで、自作することを心がけています。

まあ、何でもそうですが、適材適所&程々というのがよろしいかと思う次第です。

ちなみに、今回のネタを書く際に調べたところ、美味しんぼ海原雄山のモデルになった北大路魯山人が著書に書いた「化調論」が出てきましたので、リンクしておきます。結構化調を腐してますけど、自分でも使っているというのはちょっと面白かったです。

北大路魯山人 化学調味料


まあ、読むと魯山人氏はごくごく僅かしか化調を使ってはいませんが。

そうそう、もうひとりのおばちゃんが好きな、ユーチューバー料理研究家リュージ氏の化調の使い方も、意外に少なかったりします。おっちゃんも氏のレシピで何回か作ってみましたが、「こんな使い方では、化調の味がせんやないか!」って感じでした。(笑)多分氏も、化調味大好き派なのではなく、アミノ酸(出汁味)をプラスすることでコクのアップを狙っているのでしょう。そもそも、がっつり化調の味がしてしまうような使い方は、本来の化調の使い方ではないのです。よって現在のおっちゃんの化調の使い方は「基本的に使いすぎ」と言えるかと思います。

さんざ偉そうなこと言って実際のところは使いすぎって・・・。どもならんな。

今後は塩分共々、徐々に減らしていくよう、留意してみたいと思います。

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