翁犬ブログ

老犬ラブラドールの日々

カレーのコクを考える



カレーのコクとはなんぞや、ということについて考えてみました。

そもそも料理のコクとはなにか?

ネットで調べてみたところ、グーグル検索トップに出てきた

公益財団法人日本食肉消費総合センター

さんは、その用語集「コク」の項目において、

うま味が深く濃い場合の表現。味の基本となる甘味、酸味、塩味、苦味、うま味(五原味という)のうちの複数のものが味覚細胞を刺激し、さらに相乗効果を生じたときに感じるものと考えられているが、※(下記※印に続く)

と書いておられます。その後続いて、食肉消費総合センターという名にふさわしい、下記のような文言が続いていました。

※肉の脂肪もコクには大きくかかわっている。脂肪自体に味はないが、舌に脂肪の膜を作るためになめらかさを感じ、しかも呈味成分を間接的に感知するために味にまろやかさが生じ、これらがコクにつながる。鶏のささみなどにあまりコクを感じないのは、脂肪が少ないからである。


個人的には大変良い説明だと思います。

また、具体的なカレーのコクづけで調べてみると、インスタントコーヒー(苦味・香味)・オイスターソース(牡蠣エキス(海鮮味)・甘味・旨味)・チョコレート(甘味&苦味)・砂糖、はちみつ(甘味)・バター(油脂)・ジャム(甘味・酸味)・にんにく(辛味・スパイス)・赤ワイン(酸味・甘味・渋味)・ソース(甘味・酸味・旨味)・醤油(塩味・旨味)などが出てきました。

いずれも、上記コクの項目引用記事に書かれているように、味を足す、油脂を加えるという行為でコクづけを図っています。

ちなみに、市販のルーでのカレー作りについては、複数のカレールーを混合するという家庭カレーでのおかんの必殺技や、ルーに上記のような隠し味を入れるというやり方について、現在では多くのテレビ番組やネット記事で、メーカーが鬼のように日々研究したカレールーのカレーについては、複数メーカーを混ぜたり、また隠し味を入れることなく、メーカーの作り方通り、そのまま忠実に作るのが一番美味しいという風によく言われております。

関西ローカルの深夜テレビで、小さいお子様に、おかんの作るカレーと別のおかんが作るカレー、そしてメーカーのレトルトと、そのどれが美味しいか決めてもらうというコーナーがあったのですが、(今もやってるんかな?)自分のおかん、別のおかんにかかわらず、凝った混合&隠し味連発のおかんカレーが、ことごとくレトルトに負けてきているのを見てきたので、(たまーにおかんサイドが勝つこともありますが)こだわりのない素直なお子様のお口の多くが、メーカーデフォルトのレトルト味が美味しいと考えているのなら、多分市販ルーカレーの美味しい作り方も、ややこしいことはせずメーカー推奨通りというのがよろしいというのも事実なんだろうなと、そう思う次第です。

ただ、いろいろな味を多く知っていたり、お口がいやらしかったり卑しくなっていたり、また、加齢などで舌が馬鹿になってしまった大人の口は、市販ルーのカレーに何かを足さないと満足できなくなっているという可能性も多分にあると思います・・・。

という事で、思いっきりコクの話しから脱線しましたが、では、ここでメーカーのカレールーには、一体何が入っているかということについて見てみたいと思います。

まず、自分の実家で昔愛用されていた、「ハウスジャワカレー辛口」の成分表を見てみましょう。

食用油脂(牛脂豚脂混合油、パーム油)、小麦粉、食塩、でんぷん、カレーパウダー、香辛料、ソテーカレーペースト、ガーリックパウダー、玉ねぎ加工品、脱脂大豆、ごまペースト、ローストオニオンパウダー、粉乳小麦粉ルウ、チキンエキス、チーズ加工品、チャツネ、オニオンパウダー、砂糖、玉ねぎエキス、ローストガーリックパウダー、酵母エキス、小麦発酵調味料、ガーリックエキス、チーズパウダー、ぶどう糖、ココナッツミルクパウダー/調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、乳化剤、酸味料、香料、甘味料(スクラロース)、香辛料抽出物、(一部に乳成分・小麦・ごま・大豆・鶏肉を含む)

成分表は、重量の重いものから表記することになっていますから、カレールーで一番多く含まれているものは油脂、次が小麦粉(とろとろ成分)になります。だからカレールー、結構カロリーが高いのですね。

ちなみにルーとは、小麦粉をバターで炒めたものを指すおフランス料理用語らしいので、カレールーの大部分が油脂と小麦粉でできているのはまさにそのままの意味ということになりますね。

ルーの他の成分は、食塩、でんぷん(とろとろ成分)、カレーパウダー(まさにカレー粉)、エキス類(出汁成分)、スパイス(カレー粉成分)、香味野菜(カレー粉成分)、各種調味料という感じになっています。

これを見るとあの塊、そのほとんどは油と小麦粉と塩、そして片栗粉とカレー粉の団子だと思って差し支えないかと思う次第です。まあ、メッチャ乾かしてかさが減り、水分が殆どないから重量も必然的に少なくなるゆえ、実際原材料に戻したとすれば結構な量であるパウダー系原料の含有数も多いので、香味&コク材料の使用量が極端に少ないというわけでは決してないとは思います。

が、家庭でおかんが作る本格インド式カレーほど、カレー粉(スパイス)が入っていたり、ヨーグルトが入っていたり、にんにくや生姜などの香味野菜がたっぷりということはないかと思います。

一方、よりお高いカレールーの成分はどうなっているでしょう。同じハウスの旗艦高級カレー「ザ・カリー」の成分表を見てみたいと思います。

【ルウ】

牛脂豚脂混合油、でんぷん、カレーパウダー、小麦粉、食塩、デキストリン、香辛料、しょう油加工品、酵母エキス、粉末ソース、ローストオニオンパウダー、ガーリックパウダー、たん白加水分解物、調味油、脱脂粉乳/調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、乳化剤、酸味料、香辛料抽出物、香料、(一部に乳成分・小麦・大豆・鶏肉を含む)

【ブイヨンペースト】

はちみつ、アップルソース、チャツネ、砂糖、食塩、しょうがペースト、ガーリックペースト、バターミルクパウダー、でんぷん、赤ワインソースベース、調味ローストガーリックペースト、酵母エキス、デミグラス風ソース、ポークエキス、玉ねぎ加工品、にんにく加工品、フライドエシャロットペースト、ワインビネガー、ポークブイヨン、チキンエキス、調味油、香辛料、チーズパウダー、マッシュルーム加工品、トマト調味料/調味料(アミノ酸等)、酸味料、香料、カラメル色素、香辛料抽出物、(一部に乳成分・小麦・大豆・鶏肉・豚肉・りんごを含む) 

おお!油脂からパーム油が外され・でんぷん・カレーパウダーと配合重量順番が変わっております。更にブイヨンペーストの成分上位が、謎の調味料とかではなく、普通に聞いて知っている素材に。さすがフラッグシップなマックスグレードカレー、コストのかかる多くの材料を使っています。

なお、このブイヨンペーストには、コクとしてあげられる材料が多く使われています。はちみつ、りんご、チャツネ、にんにく、バターミルクなど。高級カレーの場合このあたりを、化調や調味料で代用していないことが、味の違いとコストに出ているのかと思います。

また、このマックスグレードあたりのカレールーについては特に、他のカレー粉と混合などせず、そのまま使う方がいいという事が、明確に言えるかと思います。別のたくさんの材料が使われた高級カレーと混ぜたら、味が喧嘩しそうですし、と言って安物と混ぜたら今度は味のグレードが落ちそうですし・・・。

さて、ここまで書いてきて、あまりの長文に自分でも驚いてしまったので、今回はここまでにして、次回に続くとさせて頂こうかと思います。明日は、自作カレーを作った経験から、更にカレーのコクについて考えてみたいと思います。


寢る翁
自分が食べられないものには
興味なしっ!


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